「国産トヨタ」と「米国トヨタ」の違い
トヨタは日本だけでなく海外にも生産拠点を有していますが、その中でも最大規模なのが米国トヨタです。
米国トヨタは日本で生産される海外向け自動車の販売のほか現地で生産される自動車の製造・販売を行っています。
海外で販売されている自動車はその国に合わせたものが用意されており、日本で販売されている車とは名称も異なっていることも多いですが、基本的な設計に関しては統一したものが使用されているものです。
プリウスの場合には名称は日本国内と同じプリウスで販売されており、基本的な仕組みに違いはありません。
海外で販売するためには現地の保安基準を満たしたものである必要があり、米国トヨタで販売されているものは米国仕様となっています。
プリウスの「US仕様」とはどんなものか?
海外で生産される車は、現地の保安基準やニーズを満たしたものが販売され、日本の仕様とは若干異なるところがあります。
プリウスは日本でも製造販売されているので、わざわざ米国から輸入されるというのは少ないですが、それでもUS仕様と呼ばれるものが流通しています。
US仕様としては、米国の保安基準とニーズを満たしたもので特徴としてはサイドミラーに違いがあります。
アメリカでは国土が広いため電動格納機能は装備されず、またミラーも左と右では同じではなく運転席側は拡大して見えるようになっています。
またワイパーにも違いがあり国産で流通しているものとは違います。座席もヘッドレスト形状が異なっていますし、走行距離などはマイル表示です。
プリウスはハリウッド女優「キャメロン・ディアス」も乗っている
世界初の量産ハイブリッドカーであるプリウスは日本以上に海外で人気のある車です。
特にプリウスが人気な地域が米国の西海岸です。
米国西海岸にあるカリフォルニア州は、米国の中ではもっとも環境問題に積極的に取り組んでいる州としても知られております。
自動車の排ガス規制に関しても米国の中ではもっとも厳しい基準となっており、それらをクリアできるプリウスはセレブやハリウッドスターにも愛用されています。
ハリウッド女優のキャメロン・ディアスもその一人で、早くからエコロジカルな考えとライフスタイルを実践しており、愛車には環境に優しいプリウスを使っています。
この他にも多くのセレブやハリウッドスターにプリウスは使われており人気の環境に優しい車という位置づけです。
外装の違いは?
US仕様のプリウスは、見た目には大きな変更点はありません。
素人目には違いはわからないものです。
見分ける外装の部分としてはミラーとワイパーです。
ミラーは電動格納式を採用していませんし、運転席側のミラーが拡大されるものになっています。
またミラーには英語表記で注意事項が書かれているのでよく観察すればUS仕様とわかります。
日本仕様ではヘッドライトに埋め込まれているウィンカーは透明で発光する時だけオレンジですが、US仕様ではオレンジに着色されています。
それと日本のプリウスではバンパーの中に発泡ウレタンは入っていませんが、US仕様では発泡ウレタンが入っており、衝突時の衝撃を和らげるようになっています。
内装の違いは?
US仕様のプリウスを見分ける最大のポイントは左ハンドル車であることです。
左ハンドルのプリウスであればUS仕様または左ハンドルの地域に向けて生産されたものと分かりますから少なくとも国産プリウスではないと分かります。
一方で表示が英語となっており、速度メーターなどの計器類でも英語表記となっています。
基本的な計器類は国産車でも英語表記となっていますが、ナビゲーションシステムなどが英語表記です。
なお、速度や距離は米国ではマイル表記となっていますが、マイル表記を採用している国は少数であるためキロ表示に変更できるようになっています。
また内装に関しても若干異なるものでヘッドレストが違います。
これは海外の人の体格に合わせたものになっています。
ボディーカラーの違いは?
日本の車はアメリカではとても人気があり、特にトヨタ車は高い人気があります。
中でもプリウスは人気の車種ですが、日本で販売しているプリウスとは若干仕様が異なっています。
ボディカラーについての違いは日本の9色に対しアメリカ仕様は7色となっています。
日本仕様では今までプリウスのイメージカラーになっていた水色が廃止され、新たに作られたエモーショナルレッドとサーモテクトライムグリーン、スティールブロンドメタリックの3色が追加されています。
アメリカ仕様ではこの中のサーモテクトライムグリーンとスティールブロンドメタリックが採用されていません。その代わりにフロスティーグリーンマイカがアメリカ仕様のみ採用されています。
本機能の違いは?
本機能の違いについては、日本仕様とアメリカ仕様では基本的に違いはありません。
右ハンドルの日本ではウインカーが右、ワイパーが左になっていますが、アメリカ仕様ではそれぞれ逆になっています。
ガソリンの給油口を開けるボタンもシートの左下に付いており、シフトギアも反対になっています。
これはアメリカ仕様のプリウスに限らずアメリカ車全てがこのようになっているため、プリウスだけが特別になっているわけではありません。
このように右ハンドルと左ハンドル以外の違いはほぼありませんが、GPSに関してのみ、日本車に比べてアメリカ仕様ではプリウス全体に対する搭載車の割合が少なくなっています。
また、カタログ燃費にも違いがありますが、これは日米の法定速度の違いによるもので、平均ではほぼ同じ燃費です。
ハンドル仕様の違いは?
新型プリウスは旧モデルに比べてデザインが大幅に変更され、楕円形だったものが丸型になったことが特徴です。
横幅が小さくなったために、実際に運転したときにハンドルが回しやすいようになっています。
そしてハンドルには夏は熱くなりにくく冬には冷たくなりにくい昇温・降温抑制機能が装備されていることがセールスポイントのひとつです。
ハンドルの握り心地やグリップ感についての違和感は感じられません。
このハンドルは日米双方に採用されているため、ハンドルについては、右ハンドルと左ハンドル以外の仕様の違いは無いと言えるでしょう。
しかし、日米共にアクセルとブレーキペダル、サイドブレーキの位置は変らないので、レンタカーでも気にならずに運転できます。
オプションの違いは?
オプションの違いについては、日本仕様に比べてアメリカ仕様ではアイテムの種類に若干の違いがあります。
フロントやリヤのスポイラーやサイドマッドガードなどのオプションには日米共同じです。
アメリカ仕様ではホイールのデザインが日本と違います。
また、屋根に荷物を載せるためのカーゴクロスバーがラインナップされています。
日本ではRV系やワゴンなどで良く見かけます。
アメリカでは屋根に荷物を載せるのはごく普通のことで、セダンでも乗せているのが一般的です。
日本仕様では社外製のクロスバーを付けるしか方法がありません。
純正パーツにこだわるアウトドア派のユーザーは、このようなパーツを取り寄せて装着してみるのもひとつです。
見分け部分は?
見分け部分として分かりやすいのがドアミラーで、アメリカ仕様のプリウスにはサイドミラーに英語表記で注意事項が書かれています。
また、アメリカ仕様ではスピードメーターもマイル表示になっていますが、設定を変えることによってキロメートル表示にすることも可能です。
日米の安全基準の違いによってアメリカ仕様にはバンパー部分に発泡ウレタンが入っている点が異なります。
バンパーの中なので外見では見分けることはできません。
以上のことからも、全体的に日本仕様とアメリカ仕様では、機能や見た目はほとんど変わらないことが新型プリウスの特徴です。
これらのことを事前に覚えておくことで戸惑うことなく左ハンドルのプリウスの運転もこなすことが可能です。
まとめ
今回は、プリウスの日本版とUS版についてお話しました。
大きな部分においては変更が無いですが、細かな部分に関しては国のニーズに応じた変更がありました。
ご参考になさってください。