音がしない。プリウスの静かすぎる走行音
音がしないのがプリウスの特徴の一つといっていいでしょう。
静かすぎる走行音はある意味では車は騒音を出すものという常識を覆したといって良いかもしれません。
あまりにも音がしないので、これが問題視されるという事も起きているぐらいです。
この理由はエンジンがそれまでのガソリンからモーターになったからです。
モーターは模型などに使用されているような電気で動くものですから、ほとんど音がしないというわけです。
ガソリンエンジンは空気を膨張させて爆発させるといういわばとんでもない方法によって動力を得ているので、音だけではなく様々な防爆対策というのが施されることになっているわけですが、ハイブリッド車はそうした物が、極力無くなっているので、静かな走行音が実現できているというわけです。

エンジンは低い回転はトルクが出ないが、モーターはゼロから動く方が力が強いため
それぞれの特徴を上手く組み合わせた車になる訳なんだ。
人ごみの中でゆっくり走るときに静かなのは、モーターで走っているからだね。
歩いていても気づかないプリウス
歩いていても気づかない程に音が出ないのがプリウスです。
実際に車が近くに来ていても分からないので、危険というように言われることも少なくはありません。
車という大きくて重たいものが無音で近くにあるというのはある意味では危険な事にもなるのですが、音がしないという事は、周囲の人はそれだけ快適に生活をする事が出来るというメリットを享受することが出来るという事でもありますから、重要な事だとも言えます。
車という移動することが出来る物体から音が出ないわけですから、人は慎重に行動をするべき時代になったという事も言えるのかもしれません。気づかない間に車が自分の傍にいるという事が当たり前のようになると考えた方が良いのかもしれません。
ハイブリッド車の走行音が小さい理由
ハイブリッド車の走行音が小さくなるのは、ガソリン車のような負荷のかかるエンジンの使い方をしないからです。
負荷がかかった時にエンジンは出力を上げて大きな音を出すようになるわけですが、その時にハイブリッド車はモーターの力を使って、ガソリンエンジンの負荷を上げないという事をします。
ですから、ガソリン車でいうところの負荷のかからない状態での走行をする事が出来るというわけです。
しかも、そのため、ギアなどの主要な音を発生する部品を無くすことが出来るようになり、これも静音性を高くする事が出来る理由となっていると考えられます。
ガソリンエンジンが無くなったというわけではありませんが、使い方が全く変わっているから音が出ないというわけです。
燃費向上が静かさに結びつく
燃費向上が静かさに結びつく理由は、タイヤと地面との接触にポイントがあります。
車は地面をタイヤが蹴る事によって動くという事になっています。ですから、如何にタイヤを上手に地面に接触させるのかという事が大きなカギとなるという事です。
燃費が向上しているという事はそれだけ上手く地面をける事が出来ているという事になるわけですが、これは常に地面にタイヤが接触している事にもなります。
常に接しているという事は、音を発することが少なくなる事が分かるはずです。
音は何かがぶつかって離れる時に出てくるものです。
常に接触した状態でタイヤと大地があるということになれば、それは音が出にくい状態になるという事が分かるはずです。

空気が圧縮されにくい溝にすると、水はけにも影響するし、模様や深さで燃費にも影響される。
それぞれのバランスを考えてタイヤが作られているんだな。
静か過ぎる走行音問題対策で注意喚起音の発生装置導入
静か過ぎるという走行音問題対策で、注意喚起音の発生装置導入が検討されています。
これは危険の察知を歩行者などが出来るようにするというモノで、特に障碍者の方にとっては重要な意味を持つことになると考えていいでしょう。
音がするというのがこれまでの車社会では常識だったわけですから、その車から音がしないという事になれば、その車の接近に気付かないので、車の前を横切ってしまうというような行動を取ってしまう事が起きないとも限りません。
というよりも、必ず起きるリスクはあると考えていいでしょう。
音がしていてもそうした事が起きる可能性はあるわけですから、音がほとんどしないという事になれば、その可能性は高くなるだけです。
ですから走行音やチャイムなどの警告音を発する注意喚起音の発生装置導入が検討されています。
プリウス走行時の注意喚起として最適な音の選択
車の音がうるさすぎるのも、住宅街に置ける音害として困りますが、静か過ぎて歩行者や自転車がプリウスの存在に気付かなくてもいけません。
このことは開発時にも議題として挙げられ、メロディやチャイム音を採用することも考えられました。
ただし、それを車の走行音と気付かなければ意味がなく、搭乗者の側にとっては常に聞き続けるのは不快ということで擬似的な車のエンジン音・モーター音などを注意喚起のための音素材と言うことで選択されることとなったのです。
この疑似走行音発生装置は、エンジンなどと共に整備の点検項目の一つに考えられています。この音が消えたからといって走行に問題が出るわけではありません。
しかしながら、この日本において走らせることを考えると必要不可欠な音なのです。
ハイブリッド車の静音性が高い理由
ガソリン車の場合、ガソリンの燃える音・エンジン回転時の部品が擦れる音などが主な騒音の原因です。
一方のハイブリッド車はガソリンエンジンだけでなく電気モーターという動力もあるのです。
エンジンに負担がかかってくるとモーターがアシストをしエンジンは停止します。
ハイブリッド車におけるエンジンというのはパワーではなく燃費を重視するような制御となっているのです。
それに、ガソリン車で熱や音となり捨てられていたエンジンのエネルギーさえもハイブリッド車は回収し、動力に変えてしまいます。
こうして、とことんハイブリッド車の走行音は静かになっていく訳です。
更にはガソリンではなく電気だからと言うだけでなくデザインの面でも静かさを手に入れています。
デザインとの関係は?
ロードノーズ・すなわち路面とタイヤとが触れ合い擦れあうとどうしても音は出て来ます。
ボディが風を切る時の音だってします。これ等は五月蝿さだけでなく抵抗として車が走る時の負担になるのです。
ハイブリッド車はこれらの抵抗も減らして燃費を向上させるよう開発された車です。
そのデザイン自体が車に音を発生させないような造りとなっているわけです。中身だけでなく外側も含めてとにかく静かな車が開発されているのです。
そのためか、ハイブリッド車と言うとどれもデザインが似ています。
ガソリン車がさまざまなデザインやサイズとなっている一方で、たとえばトヨタのプリウスとホンダのインサイトのスタイリングが似すぎていると問題となったように、鋭いノーズと曲線を描くような緩やかなボディラインはハイブリッド車の特徴です。

空気抵抗を示すCd値が小さい方が、音も小さくなるが
前面投影面積が同じでも、ボディの形を工夫することで音の原因となるカルマン渦を減少できるぞ。
ハイブリッド車のデザインが似ている理由
このデザインは空気抵抗を少しでも減らそうと考えるなら仕方のないことです。
それだけでなく、もともとハイブリッド車を求めるユーザーたちがデザインの個性よりも燃費性能こそを優先して選んでいるからこそ、わざわざ大きな違いを出さなくともよいのです。
可能な限り車内空間を広々とさせて荷物も多く積める様に、そうなると箱のような形にならざるを得ません。
ボディサイズにも制限がありますから、その中で最大限の実用性をということでコンパクトな箱型に、もっと遊び心が欲しいというならガソリン車を選ぶようにすべきです。
ただし、その場合は燃費性能は二の次となってしまいます。
どれもこれもとほしい性能を欲張ることはできないということです。
デザインによる差別化
燃費重視のハイブリッド車、デザインは二の次です。
とはいえどんどん世間に普及してきた現代、他社とは違う魅力を分かりやすくアピールするにはやはりデザイン性も考えなければならない時代となってきています。
似すぎているということで問題を起こすことになっても困ります。
ハイブリッド車はデザインはちょっとというのは今だからこその話、今後はおしゃれでかっこいい・そして燃費性能も抜群というハイブリッド車も各メーカーからどんどん出てくることでしょう。
デザイン性を理由に購入を躊躇していた方だってチャンスは出てくるのです。それまで待ってみるという手もあります。
空気抵抗という敵を前に、どれくらいのバリエーションが出るのかも楽しみなところです。