トヨタが世界ではじめて世に送り出したハイブリッドカー「プリウス」。
初代から最新の4代目までが人気車種となっています。
今回は3代目プリウスの寿命や耐久性はどれくらいなのか?
をテーマにみていきたいと思います。
ポイントは「メンテナンス次第で20年、20万キロ走行もできる!」です。
では詳しくみていきましょう!
プリウスの寿命はどれくらいなのか?
初代プリウスが発売されたのが1997年。それから約20年が経過していますが、今でも初代プリウスが走っているのを見かけることがあります。
初代プリウスが活躍している様子を見ても、消耗品を交換してきちんとメンテナンスをすれば20年くらいは使用可能であることが分かりますよね。
車に限らず、一般的に機械などは必要なお金をかけて丁寧にメンテナンスをしたり部品交換をすれば、何十年でも使用し続けることが可能です。
このため機械や装置の寿命は「どこまでお金をかけて整備をするか」によってある程度決まります。
プリウスの場合は高価な駆動用バッテリーやインバータと呼ばれる電装系部品が使われていて、これらを交換するか否かで寿命が大きく変わってきます。
駆動用バッテリーやインバータを交換すると、それぞれ20万円近い費用がかかります。
もしも高価な部品を交換しないとなれば、寿命も当然短くなってくるわけですね。
プリウス「車両本体」の寿命は?
一般的に現在販売されている国産の小型セダンやコンパクトカーは、製造から15~20年を超えるとエンジンやサスペンションなどの消耗品以外の部品・装置に不具合が生じてきます。
そのため、バッテリーやその他の消耗品・故障する頻度が高い部品を除けば、およそ20年が自動車そのものの寿命であると考えることができます。
プリウスの場合でも20年前に製造された初代でも問題なく走行し続けているので、ある程度のお金をかけてきちんとメンテナンスをすれば20年くらいが車両本体の寿命であると考えることができます。
ただし10年を過ぎた頃から高額な駆動用バッテリーやインバータなどを交換しなければならなくなるので、長持ちさせるためには当然それなりの費用がかかります。
「走行距離」は「何キロ」まで走れるのか?
一般的に国産車は走行距離が20万kmを超えると何らかの不具合が生じてきます。
そのため、ハイブリッドシステムを除く「ガソリンエンジン車との共通部分」だけを見れば、20万kmぐらいは走行可能と考えられます。
実際にタクシーとして使用されているプリウスの中には、20万kmを超えても元気に走行している車両も存在する。
一般的に自動車の寿命は走行距離10万kmと思われていますが、今の国産車であれば消耗品を交換すれば20万kmぐらいは問題なく走ることができます。
ただしプリウスは高額なハイブリッドシステムを搭載しているので、車両自体は問題が無くても高額な部品が故障して交換しなければならなくなる場合がある、ということには注意しておかなければなりません。
「ハイブリッドシステム」の「耐久性」は?
プリウスに使用されているハイブリッドシステムには、駆動用バッテリーや走行用のモーター、整流器(インバータ)などの高価な部品が含まれています。
ハイブリッドシステムの中で特に故障が多いのはインバータで、走行距離が10万km~15万kmを過ぎると故障するケースが増えてきます。年間1万kmを走行するユーザーであれば、新車として購入してから10年~15年が経過した頃に相当します。
そのため、ハイブリッドシステムの耐久性は10年~15年が目安と考えることができますね。
ハイブリッドシステムをコントロールするコンピュータや、各種装置に電力を供給する補機バッテリー(ガソリン車のバッテリーに相当)は2年~4年で寿命を迎えますが、これはタイヤやゴム製のパイプなどの各種消耗品と同じカテゴリーで考えます。
「ハイブリッド駆動バッテリー」の「耐久性」は?
ハイブリッドカーで特に重要な部品は駆動バッテリーです。
プリウスの駆動バッテリーの寿命の目安は走行距離が10万km~15万km(10年~15年)ぐらいです。
駆動バッテリーは駆動用のモーターを動かすためだけに使用するもので、蓄電池に過度の負担がかからないようコンピュータが充電・放電を制御します。
そのため各種電装品に電力を供給する補機バッテリーよりも寿命が長くなります。
補機バッテリーはその気になれば自分で交換作業をする事が可能です。これに対して駆動バッテリーを交換するためにはディーラーなどに依頼しなければならず、20万円前後の費用がかかります。
製造後15年が経過した中古車の販売価格を考慮すれば、車体の価格よりも高額です。
もしも駆動バッテリーを交換しなければ、プリウスの寿命は10年~15年くらいです。
「補器バッテリー」の「耐久性」は?
ハイブリッドカーのプリウスの場合、駆動用バッテリと補機バッテリーという2つのバッテリーが存在します。
補機バッテリーというのは、基本的には普通のガソリン車でいう「バッテリー」に相当する物で、電圧は12~14ボルトと駆動用バッテリーよりも低くなっています。
主な役割はガソリン車のバッテリーと同じで、エンジン始動時やライト類、オーディオ、カーナビの起動などに使用します。
一般的に耐久性はガソリン車のバッテリーと同じ2年~3年程度です。
休日しか乗らない、1回の走行距離が短いなど、自然放電が頻繁に起きたり、消費する電力に対して充電する電力が少ないといった、バッテリーに大きな負担が掛かる状況で使うと、バッテリー寿命はさらに短くなる可能性があります。
「プリウス」の「寿命」を「長くする方法」は?
プリウスの寿命を長くするには、ハイブリッドシステムの中核となる駆動用バッテリーの寿命をいかに延ばすかということが重要になってきます。
なぜなら補機バッテリーは他のガソリン車と同様に交換出来ますが、駆動用バッテリーは基本的には交換が難しく、出来たとしても車を買い替えた方が結果として安くなるほど高額のメンテナンスとなるからです。
駆動用バッテリーの寿命は概ね15万~20万kmと言われており、よっぽどのヘビーユーザーでも無い限りはこの走行距離に達することは少ないでしょう。
とはいえ、少しでもプリウスを長持ちさせたいのであれば青空駐車で外で放置するのでは無く、シャッターのあるガレージに入れましょう。
車を劣化させる紫外線、太陽光、海風をなるべく当てないようにすれば確実にプリウスの寿命は延びます。
「点検」と「メンテナンス」をこまめに行う
プリウスに限らず、車は定期的にメンテナンスを行う事でその寿命を延ばすことが可能です。
車は一定の寿命を見越した上で製造されていますが、それでも車の乗り方や使用状況によってはそれよりも前に故障が発生する可能性もあります。
そうした故障の前兆を未然に発見して早期対処で修理していけば、確実にプリウスの寿命は延びていきます。
加えて日常点検やメンテナンスを頻繁に行うことで、結果としては修理に掛かる費用も抑えることが出来ます。
いかに先端技術を駆使して製造されているプリウスとて、故障しないということはありません。
したがって半年もしくは1年毎の定期点検を受けるのはもちろんですが、自分でも出来る範囲で点検を行えば確実に寿命を延ばすことに繋がります。
「オイル交換」をこまめに行う
ハイブリッドカーであるプリウスの場合、どうしてもハイブリッドシステムの寿命だけを気にしがちですが、エンジンも使用しているため定期的なオイル交換も忘れてはなりません。
オイルは金属同士の焼き付きを防いだり、エンジンの汚れを吸着したり、錆を防いだりと様々な効果があります。
オイル交換を怠るとエンジンの劣化が進みやすくなるだけではなく、燃費も相対的に悪くなります。
プリウスの場合オイル交換の目安は、モーター駆動による走行もあるためガソリン車よりは消耗度合いが低いと言えますが、年に1度もしくは1万kmぐらいのタイミングでの交換が推奨されています。
オイル交換に付随するようにオイルフィルターなどの消耗品もついでに交換しておくと、よりプリウスの寿命を延ばすことが出来ますね。
「運転の仕方」で「耐久性」は変わる?
プリウスの寿命は運転の仕方によっても大きく左右されます。
というのもハイブリッドシステムの中核である駆動用バッテリーの寿命が、運転の仕方によって短くなる場合があるからです。
駆動用バッテリーの寿命を縮める運転とは「モーターを過度に酷使する運転」です。
具体的には燃費を上げようとしてモーターの力だけで加速したり、モーター走行でバッテリーを使い切ってまた充電するといった運転ですが、そういった運転をしてしまうとそれだけ駆動用バッテリーに大きな負担が掛かり、プリウスの寿命を縮めることになってしまうのです。
プリウスには自動的に過放電にならないシステムが組み込まれていますが、運転中に過放電になることはありません。
燃費を意識して帰り際にモーターだけで走行してその後駐車したり、週1回程度しか乗らないなど自然放電が長くなる環境が続くと過放電状態となってしまいます。
このような運転が続くと駆動用バッテリーの寿命が縮んでしまうため、注意が必要です。
まとめ
今回はプリウスのなかでも特に人気のある30系プリウスの寿命や耐久性についてまとめてみました。
やはり日常点検やこまめなメンテナンスが大事なのですね。
最先端のハイブリッドシステムを搭載したプリウスは電装系を良好に保つことが長く乗り続けるポイントです。
ぜひ参考にしてみてください!