低重心化をすすめる50系プリウスは車高が低い?
新型50系プリウスの写真を見ると、車高が非常に低くてスポーツカーのような印象を受けることがあります。
実際に50系プリウスのカタログを見ると、最低車高は130mmで30系よりも低くなっていることを確認することができます。
トヨタ自動車の公式サイトによると、プリウスの車高を低くすした理由が記されています。
車高を低くすれば低重心化により安定性と操作性を向上しますし、空気抵抗を減少させて燃費を向上するというメリットがあります。
床の位置が低くなることで、乗降がしやすくなります。
車高を低くすることには多くのメリットがありますが、路面の振動や凹凸を吸収しにくくなるというデメリットも存在します。
新型プリウスではサスペンションや車体制御装置の性能が向上したので、車高を下げても路面の振動を吸収して車体を安定化させることができるようになりました。
10系プリウスの地上高は?
初代プリウスの最低地上高は140mmでした。
プリウスは空気の抵抗を低減させて燃費を向上する目的で、他の車種よりも車高が低く設計されました。
同じ車体重量の他の乗用車と比較した場合、例えば小型セダンのアリオンだと最低地上高は160mmなのでプリウスよりも15mmも高く設定されていることがわかります。
ただし初代プリウスの実物や写真を見る限りは特に地上高が低いような印象は受けず、一般的な小型の4ドアセダンと変わらないように見えます。
10系は車体のサイズが小さかったので、他の車種と比較しても車高がほぼ同じか「少し低い」程度にしか感じないようなレベルでした。
1995年に試作されたコンセプトカーについては具体的な数値を確認することができませんが、写真を見る限りは市販車よりも最低地上高が高いように感じられます。
20系プリウスの地上高は?
2003年~2011年にかけて製造された2代目プリウス(20系)の最低地上高は145mmで、初代と比較すると5mmだけ高くなりました。
10系からボディのタイプが5ドアのハッチバックに変わり、これに伴い車体重量も増加しています。
エンジンの排気量は1.5Lで初代と同じですが、車体が大型化して安定性が向上して乗り心地が良くなりました。
20系では車体サイズが大型化したので、エンジン排気量1.5Lのままですが3ナンバーに変わりました。
ちなみに歴代のプリウスの中では、2代目の20系が最も最低地上高・全高ともに最も高く設定されています。
以後に搭乗したモデルではエンジン排気量や車体サイズ・重量が増加していますが、最低地上高については20系よりも下げられていきました。
30系プリウスの地上高は?
30系プリウスではエンジン排気量が1.8Lになり、車体のサイズも大型化しました。
ボディサイズが大型化しましたが最低地上高は140mmで、2代目モデルと比較すると5mmだけ低くなりました。
2代目のボディと比較すると30系では全長95mm・全幅は35mmだけ大型化し、車体重量も増加しています。
ただし車高(全高)は20mmも低くなっているので、車高が5mm下げられたことに加えてボディ全体の高さが15mmだけ低くなりました。
30系は車体が大型化しましたが、燃費性能は20系と比較して僅かに向上しました。
20系と30系のボディサイズを比較すると、最低地上高を5mm下げたことは居住性を損なわずに全高を下げるのに貢献したと考えることができます。
それぞれの型の最低地上高の差はどのぐらいなのか?
初代~現行モデルのプリウスで最も最低地上高が高かったのは2代目の145mmです。
これに対して最も低いのが新型モデルの50系で、130mmとなっています。最大で15mmも低くなっていることから、写真や実物を見ても高さの違いをはっきり見分けることができます。
全高についても2代目は1490mmであるのに対して、新型では1470mmで2cmも低くなりました。
2代目と現行モデルの最低地上高と全高を見ると、車体全体の位置を低くしたことで車内の居住性を損なわずに全高を2cmだけ低く抑えることができたことが分かります。
このため、新型プリウスは車高の低いスポーツカーのようなデザインになりました。
走行時の空気抵抗を減らすという考え方はスポーツカーもエコカーも全く同じなので、燃費性能を追求すれば似たようなデザインになったとしても不思議ではありません。
シャコタン(車高短)にする方法
50系プリウスをローダウンさせる方法は大きく分けて2つあります。
1つはダウンサスと呼ばれるバネを純正バネと交換する方法です。
もう1つは車高調整式サスペンションと言われる物と純正のバネとダンパーを同時に交換する方法があります。
それぞれの特徴を簡単に説明するとダウンサスを使用する場合はコストは安く済みますが、好みの車高には設定できません。
車高調整式サスペンションを使用する場合は、自分の好みの車高に設定できる反面、ダウンサスに比べると購入時のコストは高いです。
どちらが良いかは「予算」や「目的」により変わります。
ご自分の車に何を求めるのか?これが決まるとダウンサスか?車高調整式サスペンションか?を決めやすいと思います。
シャコタン(車高短)にするとどうなる?
シャコタンにするとどうなるのか?まず見た目が変化します。
好みはあるかと思いますが、50系プリウスの特徴でもあるロー&ワイドがより強調されるので格好良くなります。
次に乗り心地の変化です。
ダウンサス・車高調整式サスペンションのどちらの方法も乗り心地は変わります。
次にアライメントが変化します。
アライメントとは簡単に説明するとタイヤの向きです。
アライメントはキャンバー・キャスター・トーと言われる要素でタイヤの向きをミリ単位で決めています。
これらの数値がシャコタンにする事によって変化します。
変化するとタイヤの偏摩耗や車の操縦性に悪影響を及ぼします。
アライメントを調整する機能が車にはあるのですが、過度なシャコタンにしてしまうと、その調整幅を超えてしまい適正値に合わせる事が出来なくなってしまいます。
シャコタン(車高短)にする方法は?
上記で説明したように、ダウンサス・車高調整式サスペンションのどちらかを使用します。
ご自分の「予算」や「目的」で、どちらかを選んで購入です。
次に実際に交換という事になりますが、ご自分で交換する方法とショップに依頼する方法があります。
当然ご自分で交換作業をすれば工賃はかかりません。
しかしこれらのパーツは安全上、非常に重要な部分でもあり経験者以外にはお勧めできません。
もう一つ未経験者に交換作業をお勧めしない理由は、これらのパーツの交換には特殊な工具も必要になる為、工具購入のコストも余計に掛かってしまいます。
更に付け加えるなら作業者の安全上の問題もあります。
これらの理由からパーツを購入したらショップへ持ち込んで交換を依頼するのがベストな方法かと思います。
シャコタン(車高短)にする際は「最低地上高」を確保する
一般的にダウン量が20mm~40mmのダウンサスではあまり心配する必要はありませんが、車高調整式サスペンションの場合は物によっては60mm前後ダウンさせる事が可能な者もあります。
そうなると厳守しなくてはいけない点が「最低地上高」。
日本の保安基準により最低地上高は90mmという基準が存在します。
もし90mm以下にシャコタンにしてしまうと違反になり車検には通りません。
更に整備不良扱いとなる為、違反切符の対象となってしまいます。
この最低地上高とは車両の前輪と後輪の中心での車高を指しています。ただしエアロパーツ、タイヤと連動して上下する部品の下端、自由度を有するゴム製部品、サスペンションなどの足回りは含まれません。
シャコタン(車高短)にすると乗り心地や運転性が変わる
シャコタンを躊躇される方にとって1番の問題は乗り心地ではないでしょうか?
ダウンサス・車高調整式サスペンションのどちらの方法であっても確かにシャコタンにすると乗り心地は変わります。
一般的には乗り心地が悪化すると言われていますが、必ずしもそうではありません。
理由は二つあります。
一つは人それぞれの感じ方が異なるからです。
もう一つはダウンサス・車高調整式サスペンションどちらも様々なメーカーからサーキットやワインディング向けのスポーツタイプ、街乗りメインのコンフォートタイプなど幅広く発売されています。
ご自分が街乗りは多少犠牲にしてもスポーツタイプを求めるのか、ドレスアップメインで街乗りも重要視するコンフォートタイプをもとめるのか?
最初にご自分の求めるスタイルを決めるとパーツ選びに失敗する事は無いと思います。
まとめ
今回は「新型50系プリウスの車高」についてお話しました。
50系プリウスは車高が低くなりました。走る時の安定性が増しました。
それをさらに低くする事も出来そうですが、車検に通る範囲内にしたほうが良さそうですね。
ご参考になさってみてください。